お中元をいただいたら、贈り主にお礼状を送りましょう。とは言っても、「お礼状といわれても何を書いて良いのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、お中元への感謝の気持ちをしっかり伝えるための書き方とマナーを紹介します。
お礼状とは、お世話になった相手に感謝を伝える書面のことです。お中元を受け取ったら、お礼状を出すのが一般的なマナーとされています。
お礼状はお中元・お歳暮だけでなく、結婚・出産祝いを受け取ったとき、結婚式にご列席いただいたときなど、感謝を丁寧に伝えたいシーンで送られます。お中元のお礼状づくりをきっかけに、贈答や冠婚葬祭のマナーとして覚えておくと良いでしょう。
お中元を受け取ったあとのマナーについて、簡単に紹介します。
いきなりお礼状を送っても問題ありません。ただし、受け取って中身を確認したら、まずは電話でお中元を贈ってくれた相手に報告すると丁寧な印象になります。忙しい人の場合は電話をしても連絡がつかない場合もありますので、相手にあわせて電話するかどうか決めてみてください。
お礼状はお中元などの品物をいただいたときに、贈っていただいた相手に対してお中元を受け取ったことと感謝の気持ちを伝えるものです。
お礼状のマナーとしては、お中元が届いたらすぐに出しましょう。3日以内が基本で遅くとも一週間以内が目安とされています。相手に失礼にならないよう、できるだけ早く送ることが大切です。
お中元を受け取っても、基本的に品物をお返しする必要はありません。しかし、「一方的にもらうだけではなくギフトを贈りあいたい」という相手には、お返しを贈ると良いでしょう。その場合も先にお礼状を出して、少し経ってからお返しを贈るのが一般的です。お返しの品物選びでは、価格帯に注意しましょう。相手から贈られたお中元よりも高価なものを選んでしまうと、「お中元は結構です」という意味で伝わってしまう可能性があります。
お中元のお礼状は、お礼を伝える文面だけでなく、送り方にもさまざまなマナーがあります。お中元を贈ってくれた相手に感謝を丁寧に伝えるためにも、お礼状の一般的な送り方を理解しておきましょう。
贈り主との関係性によって、お礼の伝え方は異なります。手紙がもっとも丁寧な送り方で、はがきは少しカジュアルな印象になるため、相手との関係性にあわせて選びましょう。ビジネス関係や義両親・義兄弟などへのお礼は、手紙を選ぶのが無難です。兄弟や友人など親しい間柄であればメールでも構いませんが、はがきを選ぶことで相手を大事にする気持ちを伝えられるでしょう。
お礼状は基本的に手書きで作成します。パソコンで作成して印刷すると、相手によっては失礼だと受け取られるリスクがあるためです。お礼状はお中元の受け取り後すぐに投函するのがマナーとされているものの、スケジュールや体調により自分で書くのが難しいこともあるでしょう。その場合は、家族や同僚などに代筆を頼むようにしてください。
手書きのお礼状は、レイアウトによってイメージが少々変わります。縦書きはあらたまった印象に、横書きはカジュアルな印象になります。そのため、取引先や同僚などビジネス関係の相手には縦書き、親族や親しい友人などには横書きを選ぶのが一般的です。ただし、同じ関係性であっても距離感は人によって変わってきますので、贈り主にあったレイアウトを選んでみてください。
便箋や封筒は、白色で無地のものがもっともフォーマルとされています。便箋は、罫線が入った商品を選んでも問題ありません。その場合、罫線の色はブラウンやグレーなどの落ち着いた色合いが好まれます。親しい相手であれば、風鈴や金魚、ひまわりなど季節感のある絵柄が入った便箋を選ぶのも良いでしょう。はがきの場合も同様に、かしこまりたい相手には無地のものを、カジュアルな間柄にはイラスト入りのものを選ぶのがおすすめです。
お中元のお礼状に書く文章は、次の5つの要素から構成されます。
●頭語
●時候の挨拶・季節の挨拶
●お中元のお礼
●日頃の感謝と健康への気遣い
●結びの言葉と日付・差出人名
それぞれ詳しく紹介します。
お礼状では、贈り主にあわせた頭語を使用します。「拝啓」を選ぶのが一般的ですが、親しい間柄へのお礼状であれば「前略」でも構いません。ビジネスシーンでは「謹啓」を使うこともあり、事業所の案内や社名変更などあらたまった場面に適した頭語です。お中元のお礼状には少し柔らかい印象の「拝啓」「拝呈」などが適しているでしょう。
かしこまった相手には、漢語調の「盛夏の候」「大暑の候」などを使うのがおすすめです。カジュアルな文面にしたい場合は「真夏日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」といったように和語調の挨拶が向いています。
挨拶文のあとは、お中元に対するお礼を伝えます。お中元を贈った人は、相手が喜んでくれたかどうか気を揉んでいることでしょう。そのため、お中元の品物を食べたり使ったりした感想を添えると、ギフトに感謝している気持ちを伝えられます。
相手へのお礼は、お中元に対してだけでなく、日頃の相手との関わりで感じた謝意も添えると良いでしょう。くわえて、無病息災を願うなど健康を気遣う言葉を添えることで、相手を大切に思っている気持ちを伝えられます。
挨拶文のあとは、お中元に対するお礼を伝えます。お中元を贈った人は、相手が喜んでくれたかどうか気を揉んでいることでしょう。そのため、お中元の品物を食べたり使ったりした感想を添えると、ギフトに感謝している気持ちを伝えられます。
最後に、頭語に対応した結語を入れます。頭語が「拝啓」なら「敬具」、「前略」なら「草々」が適切な結語です。その次には、お礼状を書いた日付を添えましょう。最後の行には、差出人名を記入してください。自分の名前をフルネームで書き、ビジネス関係の相手には氏名の前に会社名も添えます。
お礼状の文例を、ビジネスシーン、親族宛、友人・知人宛の3つに分けて紹介します。こちらのサンプルを参考にお礼状を作成して、お中元への感謝を伝えてみてください。
〇〇〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇様
拝啓 盛夏の候、貴社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度は、心のこもったお品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
平素よりのご支援にくわえて、ご丁重なお心遣いに恐縮いたしております。
心より感謝を申し上げますとともに、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願いいたします。
暑さの厳しい時節柄、皆様のご健康と貴社の一層のご繁栄をお祈り申し上げます。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇〇〇
〇〇部 〇〇〇〇
〇〇 〇〇様(夫の名前)
〇〇様(妻の名前)
拝啓 不安定な天気が続きますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
この度は、心のこもったお中元の品をいただきありがとうございました。
さっそく夫婦で美味しくいただいています。
いつもながらのお心遣いに触れ、心が温かくなりました。
また、折に触れて家族みんなでお顔を見せにきてくださり、大変嬉しく思っています。
まだまだ厳しい暑さが続きますが、どうかお身体にはくれぐれもお気をつけください。
略儀ながら書面にてお礼申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇 〇〇(夫の名前)
〇〇(妻の名前)
〇〇〇〇様
前略 いよいよ夏本番を迎えるなか、いかがお過ごしでしょうか。
この度は嬉しいお心遣いをいただき、ありがとうございました。
さっそく家族と一緒に美味しくいただき、心ほぐれる時間を過ごせました。
いつもながらのお心遣いに感謝いたします。
まだまだ暑さが続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
まずはお礼まで。
草々
令和〇年〇月〇日
〇〇 〇〇
お中元を受け取ったら、贈り物への感謝を伝えるためにまずはお礼状を用意しましょう。お礼状は、便箋もしくははがきを使って手書きするのが基本です。お中元を贈ってくれた相手と良い関係を続けるためにも、マナーをふまえて丁寧にお礼を伝えてみてください。また、贈り物を贈りあいたい場合は、返礼品を渡しても構いません。
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