カレーのちょっと豆知識

鳥取県は「華麗なるカレー県」

今や国民食となったカレーライス。2024年4月から「全国カレー祭り」カタログもはじまり、お客さまに全国各地のカレーを楽しんでいただいているようです。ありがとうございます!
カレーについて調べてみると、カレーを「推し」にしている県を発見しました。それは、鳥取県!

鳥取県鳥取市はカレールウの購入金額全国2位。平成26年〜平成27年、平成30年〜令和2年では全国1位であり、カレールウの消費量がとても多い県です。 ※出典:総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2021年(令和3年)〜2023年(令和5年)平均)

また鳥取駅には、お土産売り場にカレーコーナーがあり、県民の「推し」であることがうかがえます。なぜ、鳥取県ではカレーが「身近」で「推し」となったのか。理由を探るべく、鳥取県庁へ向かいました。

鳥取県 商工労働部 兼 農林水産部 市場開拓局 食パラダイス推進課 課長補佐 高橋さんにうかがいました。

橋さん
橋さん

なぜカレーが多く食べられるようになったのでしょうか?

鳥取県は鳥取砂丘が有名ですが、山と海が非常に近く、海・山・里山の恵みの幸が年間を通じて収穫できる県でもあります。野菜や果物と、海でとれた魚介類をお裾分けし合う方もいらっしゃいます。気軽に旬を感じられ、それを楽しむ生活を送られている方が多いといえます。また、共働きの割合が高いことから、一皿でバランスよく主食、主菜、副菜を一度にとることができ、自宅で獲れた野菜や果物など身近な食材を使ったアレンジが手軽にできるカレーが好まれたのではないかと言われています。鳥取県は鳥取砂丘が有名ですが、山と海が非常に近く、海・山・里山の恵みの幸が年間を通じて収穫できる県でもあります。野菜や果物と、海でとれた魚介類をお裾分けし合う方もいらっしゃいます。気軽に旬を感じられ、それを楽しむ生活を送られている方が多いといえます。また、共働きの割合が高いことから、一皿でバランスよく主食、主菜、副菜を一度にとることができ、自宅で獲れた野菜や果物など身近な食材を使ったアレンジが手軽にできるカレーが好まれたのではないかと言われています。 ※出典:令和4年就業構造基本調査結果(鳥取県)要約

もう一つの要因としては、鳥取県の特産品のひとつ「砂丘らっきょう」が挙げられます。言わずと知れたカレーのお供の存在も大きな要因かもしれません。「らっきょうを食べるためにカレーを食す県」とも言われています。

鳥取県でカレーのイベントが開催されたようですが、いかがでしたか?

昨年度、カレールウの購入金額が全国2位になり、消費拡大イベントを開催しました。
県内の飲食店で様々な具材を使用した個性豊かなカレーを提供したり、SNSでカレーレシピを募集したり大変盛り上がりました。
カレーのカレンダー「鳥取お魚カレーンダー」も作成しました。鳥取県の四季の県魚を使ったオリジナルカレーレシピを紹介した、とてもユニークなものです。

鳥取お魚カレーンダー
鳥取お魚カレーンダー

お魚のカレイがまるごと入ったカレーレシピがあるのですか?

カレイは鳥取県では干物などでもよく食べられる、なじみのあるお魚です。カレイが丸ごと一匹入っているインパクトのあるカレーに仕上げていただきました。

カレーの専用米があると聞きましたがどのようなお米ですか?

鳥取県農業試験場で開発され、2017年に品種出願登録されたお米「プリンセスかおり(カレー米)」があります。この「プリンセスかおり」は、「プリンセスサリー」の華やかな香りと、コシヒカリの粘り強さを併せ持つプレミアム米で、カレーに合うおいしいお米です。

今後の取り組みをお聞かせいただけますか?

カレーというメニューを通じて鳥取県内の海・山・里山の恵みの幸の地産地消の推進とおもてなしを磨き上げ、鳥取県に「食べに行きたい!」と遊びに来ていただけるきっかけになればと思っています。

カレーに合うお米まで作っていた鳥取県

鳥取県で開発された「プリンセスかおり」を栽培している田中農場の田中さんにお話を伺いました。

有限会社 田中農場 代表取締役 田中里志さん(左)と取締役会長 田中正保さん(右)(画像提供:(有)田中農場)
有限会社 田中農場 代表取締役 田中里志さん(左)と取締役会長 田中正保さん(右)
(画像提供:(有)田中農場)

どのような農作物を作られているのですか?

スタッフ22名でお米、酒米、豆、白ねぎなどを作っています。田んぼは約120ha(東京ドーム約25個分)の広さです。

カレーをおいしく食べるためのお米を作っていると伺いました。どのようなお米でしょうか?

とっとり香り米「プリンセスかおり(カレー米)」を育てています。「プリンセスかおり」は、鳥取県で開発された新しい品種のお米です。カレールウの購入金額が全国1位になった時にカレーを盛り上げようと開発されたと聞いています。2017年(平成29年)12月に農林水産省に正式に名前が登録されました。そのため、正式に品種登録がされる2019年(令和元年)までは、その香りと味がカレーに合うことから「カレー米」として呼ばれていました。

カレーに合うお米ということですが、「プリンセスかおり」の特徴はどのようなものですか?

「プリンセスかおり(カレー米)」は“香り米”と呼ばれる通り香ばしい香りが特徴です。長粒・小粒でツヤがあり、もちもちとした粘りを持ちながら吸水力が高いので、調理時に米粒同士がくっつかずにパラパラに仕上がり、粒の弾力感と甘みを味わえます。

「プリンセスかおり」はカレーに好適のようですが、カレーの他にもおいしい食べ方はありますか?

カレー以外にも使っていただける料理はたくさんあります。チャーハン、パエリアなどにするとパラっとした食感を楽しめ、噛むほどに甘みが口の中に広がりとてもおいしいですよ。小さなお子さまがいらっしゃるご家庭からよく聞くのは「塩おむすび」です。お米が苦手なお子さまでも「おいしい」とよく食べていただけているようです。
また、炊く前の吸水が不要なので、キャンプでも重宝されているようです。炊飯方法のおすすめは、「吸水ゼロで早炊きモード」です。

今後の展望を教えていただけますか?

「プリンセスかおり」は飲食店を中心に消費されていますので、ご家庭でも用途に合わせて楽しんでいただけたらいいですね。私たちは、お客さまからの「おいしかった」という言葉が励みです。これからも喜んでいただける農作物を作っていきたいです。

「田中農場 カレー専用米 プリンセスかおり」のご購入はこちらから!

カレーのためのらっきょう?らっきょうのためのカレー?

JA鳥取いなば 福部らっきょう加工センター センター長 岡垣さんに伺いました。

鳥取といえば、砂丘が思い浮かびます。らっきょうは砂丘でも作られていますがなぜ鳥取で作られるようになったのですか?

福部のらっきょうは古くは江戸時代から作付けをされていたようです。本格的に作付けされだしたのは第二次世界大戦後です。砂丘の周りには、砂地のらっきょうの圃場(ほじょう)があります。砂地はいわゆるやせた土地で農作物の畑としては適していません。さまざまな農作物を育てその中で最適だった作物がらっきょうだったようです。

やせた土地が適しているのですか?

鳥取県鳥取市福部で育ったらっきょうは「砂丘らっきょう」として甘酢漬などで販売しているのですが、一番の特徴は「シャキシャキ」とした食感です。
これは、作物の生育には必ずしも適していないやせた土地で、らっきょうの鱗片(りんぺん)が薄く何枚も重なることにより作られる食感です。また、砂地で育まれることにより、ことさら白い色のらっきょうができると言われています。

作付けの様子)
作付けの様子
(画像提供:JA鳥取いなば)
生産者ご夫妻 香川さん(画像提供:JA鳥取いなば)
らっきょうの花が咲いた畑
(画像提供:鳥取県)

らっきょうの花が咲く頃にらっきょう畑をみたことがあります。とてもきれいでびっくりしました!らっきょうはどのようにつくられるのですか?

らっきょう畑を見られたことがあるのですね。らっきょうは、7月末から「うね」と「うね」の間に置くように種球(たねきゅう)を植えていきます。畑(砂丘)の上は、照り返しで60℃近くになり暑さとの戦いになります。種球は自然に風に吹かれる砂で埋もれていきます。台風の時は風と砂で埋もれてしまうので手作業で砂を払います。10月末から11月にかけ紫色の小さな花が咲きます。鳥取市の花はらっきょうなんですよ!冬には雪に埋もれながら大きくなっていき、5月末に収穫されます。 ※うね:畝 畑に農作物を植えるときに土を盛り上げたところ。

生産者ご夫妻 香川さん(画像提供:JA鳥取いなば)
生産者ご夫妻 香川さん
(画像提供:JA鳥取いなば)

「砂丘らっきょう 甘酢漬」のご購入はこちらから!

おいしいらっきょうを食べるためにカレーを食べているのかもしれませんね。

県の恵みを活かし、様々な取り組みの深化が進む鳥取県から目が離せません。

現在展開中の「全国カレー祭り」カタログに掲載している鳥取県カレーは 「岩美ブルーカレー」 です。鳥取県東部の岩美町にきれいな青い海が印象的な浦富海岸があり、その海をモチーフにしたカレーです。(製造は鳥取県ではありません。)

「岩美ブルーカレー」のご購入はこちらから!

お米、らっきょう、カレーと鳥取を味わってみませんか。

ページの先頭へ戻る