お歳暮のお返しはどうすればいいの? お礼状や返礼品のマナーを解説

お歳暮のお返しはどうすればいいの? お礼状や返礼品のマナーを解説

日本では、よその人から贈り物をもらったらお返しをすることが慣習的に行われています。そのため、お歳暮を受け取った場合も、「お返しをしなければ相手の方に失礼では」と思ってお返しの品を贈ろうとする方も多いのではないでしょうか。今回は、お歳暮のお返しはどうすればよいのかについてお伝えします。

お歳暮をいただいたら必ずお礼状を出そう

お歳暮が届いたらなるべく早いタイミングでお礼状を出しましょう。お礼状はお歳暮をいただいたお礼であるともに、無事に品物が届いたことを相手の方に知らせる意味合いも兼ねています。
家族や親しい友人・知人であれば電話やメールで済ませるのもよいでしょう。しかし、目上の方や年上の方であれば、電話・メールではなく直筆のお手紙を送ると、より丁寧な印象を与えられます。お礼状は封書ではなく、はがきでも構いません。手紙やはがきは、雪だるまなどの季節のイラストがさりげなく描かれているものを使うのも細やかな気遣いが感じられていいですね。

お礼状の書き方

お礼状の文面に決まった形式はありませんが、書く内容の順序はだいたい決まっています。全体の流れとしては、以下のような流れで書けばまず間違いはないでしょう。このほかにも、自分や家族の近況を軽く書き添えるのもおすすめです。

  1. 時候のあいさつを入れる
  2. お歳暮をいただいたことへの感謝を述べる
  3. 家族がいる場合は、自分だけでなく家族も喜んでいる旨を入れる
  4. これからますます寒くなる時期を迎えるため、相手や家族の健康を気遣う言葉を入れる
  5. 結びの言葉

夫宛てに届いたお歳暮に対するお礼状を妻が書くときは、お礼状の最後に夫の名前を書き、その横に小さく「内」と記します。妻以外の家族や会社の部下が代筆する場合は、「内」ではなく「代」と書きましょう。

関連記事:お歳暮のお礼状は何を書いたら良い?お礼状を書く際のマナーについて解説

お礼状の文例

拝啓 寒気の候、○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
私たちは相変わらず、仕事に趣味に日々忙しく過ごしております。

さて、この度はお心のこもったお品をいただきまして、ありがとうございました。
早速家族がそろったときの夕食に出したところ、家族の皆で取り合いになるほど大好評でした。

これからますます寒さが厳しくなりますゆえ、○○様もご家族の皆様もどうぞご自愛くださいませ。
まずは略儀ながら書中にて御礼申し上げます。

敬具
□□□□(お歳暮の受取人の氏名)

ただし、お礼状を出すのが1月に入ってからになってしまった場合は、時候のあいさつの部分を「寒中御見舞」「寒中御伺」としましょう。

関連記事:寒中見舞いとはどんな風習?由来や意味、送る際のマナーなどを解説

お返しの品を贈る必要はない

お歳暮は本来、目下の方から目上の方や上司などに日頃の感謝の気持ちを込めて贈るものです。そのため、お歳暮をもらっても基本的にお返しをする必要はないと考えられています。
贈り主がお世話になったことに対するお礼の気持ちで贈ったお歳暮に対して受取人がお返しをしてしまうと、お歳暮の贈り主に「かえって相手に気を使わせてしまったのではないか」と思わせてしまうことにもなりかねないからです。
自分がお歳暮を贈った覚えのない方からお歳暮をいただいた場合でも、お返しは不要です。
ただし、「お礼状だけではどうしても気が済まない」と思うのであれば、お歳暮の到着後しばらく時間が経ってから、いただいたお歳暮の半額程度の品物を「お年賀」「寒中御見舞」「御礼」として贈ります。

お返しを贈る場合は金額に配慮する

お返しの品は、いただいたお歳暮の半額~同額程度の価格帯を選ぶのがマナーとされています。その理由は、明らかに高価なものを贈ると、「贈り物は結構です」という意味として受け取られてしまうことがあるためです。お歳暮の相場は3,000~5,000円だと言われていますが、想像以上に高価な品を贈られているかもしれません。お歳暮を扱うネットショップを見たり、店舗に直接問い合わせたりするなどして、値段を確認してから品物選びをするのもいいでしょう。
お返しの品物は、贈ってもらった品物と同じものを贈るのは避けるようにしましょう。高価な品物を返した場合と同様に、受け取りを拒否する意味に捉えられてしまう可能性があるためです。たとえばハムを贈ってくれた人には果物やビール、洋菓子を贈ってくれた人にはおかきやコーヒーなど、別カテゴリの商品を選ぶのがポイントです。感謝の気持ちを伝えられるように、相手の喜ぶ品物を選んでください。

お返しを贈る時期

お歳暮は12月初旬~25日ごろに贈るのが一般的ですが、お返しはお歳暮の時期を厳守する必要はありません。年が明けてからお年賀や寒中見舞いとして贈るのが基本です。友達やご近所さんなど、対等な関係の相手へのお返しは、年内にお歳暮として贈っても構いません。ただし年末年始に届くように贈ってしまうと、個人の場合は帰省や旅行、法人の場合は冬季休業などで受け取れない可能性もあるので避けるようにしましょう。

お返しの品を贈る必要はない

お返しをする前に知っておきたい贈り物の基本マナー

お歳暮のお返しを渡すうえで、知っておきたいマナーを紹介します。

送り状

お歳暮に限らず贈り物をする際には、品物が届く前に送り状を送付するとより丁寧です。送り状は縦書きの便箋に手書きで記載するのが正式なマナーだとされています。しかし、親しい相手に対してはハガキやメールなどの簡略化した形式でも構いません。送り状で事前に知らせることで、相手にお返しを受け取る準備をしてもらうことができます。

のし

一般的な贈答品と同じく、お歳暮のお返しにものしをかけるのがマナーとされています。ギフトを扱うネットショップやデパートではのし紙での包装サービスを行っている場合もあるので、注文時に確認すると良いでしょう。水引の結び方は慶事用の「蝶結び」を、相手や自分が喪中の場合は「結び切り」や「あわじ結び」を選ぶのが一般的だとされています。
のしの表書きは、以下のように時期に合わせた内容を記載しましょう。

・ 12月初旬~下旬:御歳暮
・ 元日~1月7日ごろ:御年賀
・ 1月8日~立春前:寒中御伺
・ 立春~2月末日:余寒御伺

関連記事:お歳暮の熨斗(のし)の書き方や付け方、知っておきたい基本

お歳暮のお返しに人気の冬ギフト

お歳暮のお返しにもぴったりの、人気の冬ギフトを4つ紹介します。

ジュース

缶やビン、紙パックのジュース詰め合わせは、子どもから大人まで好き嫌いが分かれづらい品物です。また、常温で日持ちするため、受け取ったあと困りづらいのも魅力的でしょう。お歳暮のお返しには、柑橘類やりんご、いちごなどの旬のフルーツを使ったジュースが特に人気となっています。

ハム

お歳暮の代表的な品物であるロースハムは、お返しの品としても人気を集めています。ハムを含む加工肉は比較的日持ちするうえ、年末年始の家族が集まる機会に振る舞いやすいのも人気の理由です。お歳暮の相場である3,000円前後から購入できるので、相手に気を遣わせない価格帯を選びやすいのもポイントです。

洋菓子

お返しを贈る年末年始は寒さが厳しくエネルギーを奪われやすいため、甘味の強い洋菓子も喜ばれます。とくにフィナンシェやバームクーヘンなどの焼き菓子、季節のフルーツを使ったゼリーやアイスが人気です。洋菓子は個包装で常温保存できる品が多いので、受け取ったあとも好きなタイミングで食べやすいのも魅力です。

カタログギフト

カタログに掲載された幅広いラインナップの中から、相手が好きな品物を選べるカタログギフトも人気です。家族構成や食の好みが分からなくても送りやすく、価格帯も2,000円台 からあるので、お返しにも向いています。対等な相手へのお返しであれば、お歳暮として年内に届くように贈ると、年末年始にゆっくり過ごしながら選んでもらえます。

お返しにふさわしくない品物もある

贈答品として「縁起が悪い」とされる品物は避けたほうが無難です。具体的には、刃物・ハンカチ・櫛・肌着・履物などが挙げられます。相手が目上の方の場合、筆記用具・カバン・金券類なども失礼だと捉えられる可能性があるため要注意です。
また、お歳暮のお返しとして定番の食品であっても、相手がアレルギーのある品物を贈ってしまうと口にできません。食品を贈る場合は念のため、アレルギーの有無を事前に確認しておくといいでしょう。

関連記事:失敗しないお歳暮の選び方とは

お歳暮のお返しに人気の冬ギフト

【FAQ】お歳暮のお返しに関するよくある質問

Q.お歳暮の受け取りを遠慮することはできる?

お歳暮の受け取りを遠慮することも、マナー違反ではないとされています。
やむを得ず受け取りを辞退するケースとして、配達先の住所を長期間不在にしていて受け取れない場合が考えられます。また、公務員として務めていたり、社内での贈答が禁止されているにもかかわらず部下から贈られたりなど、立場上贈答が禁止されている場合も受け取りができません。また、あまり関わりのない方や、疎遠になってしまった方からお歳暮が届く場合も考えられます。
受け取れないお歳暮が配送された場合は、配達ドライバーに返送してもらうよう依頼することも可能です。相手に失礼のないよう、お礼状で「今後はこのようなお心遣いは無用です」と伝えるのも忘れないようにしましょう。

Q.喪中でもお歳暮のお返しをしてもいい?

お歳暮は11月半ばごろに準備することが多いので、届く頃には自分もしくは相手が喪中になっていることも考えられます。お歳暮はお祝いではなく季節の挨拶なので、喪中であっても贈答して問題ありません。ただし喪中の場合、通常ののし紙ではなく、のしや水引のない無地短冊を選ぶとより丁寧です。ただし、四十九日の期間は故人とのお別れで心身ともに多忙になります。相手が喪中の場合、四十九日が明けた後に贈ると心遣いを伝えられるでしょう。

まとめ

お歳暮を受け取っても基本的にお返しは不要ですが、お歳暮をいただいた感謝を伝えるためにもお礼状は必ず送るようにしましょう。お礼状はなるべく早く出すことが大切です。メールや電話で簡単に済ませても構いませんが、手書きのお手紙でお礼の気持ちを伝えるとより丁寧です。
また、お返しの品物を渡したい場合は、いただいたお歳暮の半額~同額程度の品物を、年明けに「御年賀」「寒中見舞い」として贈るのが一般的です。お歳暮やそのお返しを通して日頃の感謝を伝えることで、相手と円満な関係を築いていきましょう。
お歳暮やお返しの商品選びに迷ったら、相手との関係にあわせてぴったりの商品を選べる「郵便局のネットショップ」をぜひご活用ください。

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